相続「受遺者」の用語解説
受遺者とは、被相続人の遺言により遺贈を受ける者として指定された者をいいます。
受遺者は遺産の全部の遺贈を受ける「包括受遺者」と、遺産中の特定財産のみの遺贈を受ける「特定受遺者」とに分けられます。「特定遺贈」とは、特定の土地とか家屋、一定額の金銭、などのように物や金額が確定している物を遺贈することをいいます。 これに対し、「包括遺贈」とは、遺言に「○○に遺産の4分の1を与える」というように遺産の一定割合を指定して遺贈することをいいます。この場合、包括遺贈を受けた者(包括受遺者)は相続人と同一の権利義務を持ちます。(民990条)
なお、受遺者は相続人に限られません。
遺贈を受ける資格は、遺言者が死亡した当時に胎児であれば既に生まれたものとみなされます。ただし、相続欠格者については遺贈を受ける資格はありません。(民965条)
遺言により遺贈を受けることとなっていた者(受遺者)が死んでから遺言者が死亡したとき、この遺贈は効力を生じなくなり、その受遺者の相続人はその地位を相続することができません。(民994条)
このように遺贈が効力を発生しないとき、受遺者が受けるはずであった財産は、相続人に帰属します。しかし、遺言者が遺言書の中で、受遺者への遺贈が効力を失った場合、その財産は他の者に帰属する旨を遺言に記していればその財産は相続人に帰属せず、他の受遺者に帰属することになります。(民995条)