相続「特別方式遺言」の用語解説
特別方式の遺言とは、民法上定めのある特別方式の遺言のことをいいます。
遺言は要式行為であり、その規定に反するものは無効とされますが、特別方式の遺言は、遺言が作成された際の特殊な事情に鑑みて、その方式などを緩和したものです。
民法上定められた特別方式遺言の種類としては危急時遺言(一般危急時遺言、難破危急時遺言)と隔絶地遺言(一般隔絶地遺言、船舶隔絶地遺言)があります。
特別方式には危急時遺言と隔絶地遺言があります。危急時遺言には一般危急時遺言、難船危急時遺言があり、隔絶地遺言には一般隔絶地遺言、船舶隔絶地遺言があります。
これらの方式は、普通方式による遺言が困難な場合において特別に認められた略式の方法であるため、遺言者が普通方式での遺言を作成できるようになったときから6か月間生存していた場合は無効となります。
危急時の遺言
(一般危急時遺言)
疾病その他の事由によって死亡の危急に迫っている者が遺言をしようとするときは、証人として3人以上の立ち会いがあれば、その1人に遺言の趣旨を口授して、緊急時遺言ができます。
(難船危急時遺言)
船舶遭難の場合において、船舶中に死亡の危急に迫った者は、証人として2人以上の立ち会いがあれば、口頭で遺言をすることができます。
隔絶地遺言
(一般隔絶地遺言)
伝染病のために行政処分によって交通を断たれた場所にある者は、証人として警察官1人及び1人以上の立ち会いがあれば遺言書を作ることができます。
(船舶隔絶地遺言)
船舶中に在る者は、証人として船長又は事務員1人及び2人以上の立ち会いがあれば、遺言書を作ることができます。