生前の相続放棄の可否
Q.生前の相続放棄は出来ますか
二男には既に家を建てる際の資金として2000万円を渡しています。そこで私の自宅と残りの預貯金は長男に継がせたいと考えています。
二男に生前の相続放棄をしてもらうことは可能でしょうか。
A.生前の相続放棄
生前の相続放棄は法律上、認められません。相続放棄は相続開始後(死亡後)にだけ可能です。生前は裁判所に申し立てることはできず、仮に文書等に一筆書いたとしてもそれは無効となります。
なお、相続人に法律上の認められている「遺留分」の生前の放棄は、家庭裁判所の許可を受けて行うことができます。この「遺留分の放棄」と「遺言」を組み合わせることにより、ご希望を実現することが考えられます。
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遺言は作成時のみならず、執行時のことも考えて遺言執行者を決めておくことが望ましいです。また、税金や遺留分についても注意しておかなくてはなりません。
相続人間の相続争いの発生を避けるために、専門家に相談して、遺言を作成されることをお勧めします。
なお、仮に、遺言が無く遺産分割となった場合には、二男へ生前贈与した2000万円は特別受益として考慮された上で分割が行われることになります。
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